昔から伝わる 天然の除菌成分

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エッセンシャルオイルの天然除菌成分

エッセンシャルオイルといえば、アロマオイルのようなリラクゼーション効果が有名ですが、除菌成分も注目されています。

エッセンシャルオイルの除菌・抗菌成分に関しては、こんな話が有名です。
『フランス人科学者ルネ・モーリス・ガットフォセは、ある日の実験中に誤って手を火傷してしまい、とっさに近くにあったラベンダーのエッセンシャルオイルの中に突っ込んだ。すると火傷は化膿することもなくきれいに治ったため、それを機に、ラベンダーを含むエッセンシャルオイルの研究を始めた(ガットフォセガットフォセ,2006)』

エッセンシャルオイルの中には、抗菌効果や抗ウイルス効果があるとしてヒトの生活に活用されてきた長い歴史を持つものがたくさんあります。
現代では、化学物質を使った除菌グッズや抗菌グッズがたくさん出回っていますが、古くから重宝されてきた自然な成分にも目を向けてみるのはどうでしょうか。

エッセンシャルオイルにも得意分野がある

エッセンシャルオイルにはたくさんの種類があり、それぞれの種類ごとに効果や効能は異なることがわかってきているそうです。長い歴史を持ち、民間療法としても広く活用されてきたエッセンシャルオイルですが、学術的にはまだ解明されていないことが多いのも事実。さまざまな方面から研究が進行中です。

例えば、エッセンシャルオイルの中でもよく知られたティートリーは、大腸菌や表皮ブドウ球菌に対して抗菌効果があると報告されています。そして、最もよく知られたエッセンシャルオイルの中の1つ・ラベンダーは、ブドウ球菌に対しては抗菌効果が認められたものの大腸菌に対しては抗菌効果が認められなかったと報告されています(芋川 浩,今浪愛里,2014)。
エッセンシャルオイルの種類と抗菌効果を発揮する菌の種類、それらを適切に当てはめながら使用していく工夫が、除菌効果を高めるためには求められているようです。

エッセンシャルオイルの薬剤耐性菌出現抑制

抗生物質に対して薬剤耐性を持つ菌が猛威を振るうことは、大きな課題の1つとなっており、抗生物質の頻繁な利用への警鐘が鳴らされています。
この点で、エッセンシャルオイルは薬剤耐性細菌が出現しにくいといわれて言われているようです(Carson, Hammer, Riley,2006)。

抗生物質は病院で処方されるわかりやすい解決策ではありますが、その歴史は100年に満たない新しいものでもあり、解明されていない脅威やリスクもあります。
古くから伝えられてきた天然の除菌成分を上手に活用して、より安全・安心に除菌していくことも魅力的な1つの選択肢といえるでしょう。

最近の除菌商品を使用するときに気をつけたいこと

新型コロナウイルスの影響もあり、アルコール消毒剤を見かける機会がかなり増えました。感染拡大を防ぐべく清潔には気をつけたいところですが、化学物質を含む除菌商品を手のひらに染み込ませすぎる習慣には少し注意が必要です。

ポイントは、手のひらや足の裏は非常に吸収力が強い場所であるということ。成分の良いものを手足に塗り込むというのとは違い、除菌ができる化学的な成分を手足に塗り込むというのは、一旦自分なりの判断が必要なのではないかと思います。

水洗いで菌やウイルスの多くは落とせますので、何を自分が衛生的と考えるのか、行動が習慣になる前に考えてみる価値はあるのではないでしょうか。