100年くらいの間に起きた死因の変化

死因の変化イメージ

感染症が主な死因だったのは、そんなに昔の話でもなくて・・・

現在の先進国で死因のトップ3といったら『心臓病・がん・脳卒中』とすぐ思い浮かびそうなものですが、この状況はそんなに昔からあったわけではありません。
100年くらい前の日本では、肺炎や結核や胃腸炎がトップにあったみたいです(※1)。アメリカでも、肺炎、結核、感染性下痢症が3人に1人の命を奪っていたといいます(※2)。

肺炎も結核も胃腸炎(感染性下痢症)も、感染症です。
肺炎であればウイルス・細菌・菌類・寄生性原虫など広範な微生物が原因となり、結核はマイク爆照り有無族の一部の細菌が引き起こすといわれています。胃腸炎(感染性下痢症)については、例えばコレラであればビブリオ属の細菌が、赤痢では寄生性原虫のアメーバが主な原因となるとわかっています。

感染症は長い間たくさんのヒトの命を奪ってきましたが、抗生物質やワクチンの進化、住環境の改善、医療衛生の向上が、感染症の恐ろしさを遠ざけてくれました。

これでずーっと健康で生きていけるかと思いきや、現代病と呼ばれるような病気が急増しました。心臓病・癌・脳疾患の他にも、直接的な死因には上がっていなくても、精神病や肥満やアレルギーなどです。
”寿命が延びたのだからそれまでなかった病気が出るのも当然だ”という話はもっともなのですが、それだけではなく、新しい環境が引き起こしている側面もあるのではないかとも思うのですがどうでしょうか。

※1. 厚生労働省「年次別にみた死因順位(第1~10位)」より
※2.河出文庫「あなたの体は9割が細菌」p48より