皮膚にいる菌を活用して美容や健康を促進するAOバイオーム社
汗をかいたら臭いのは、汗そのものの匂いではなく、皮膚にいる菌(微生物)が汗を分解していろいろな揮発性の物質に変換しているからです。
そして、匂い対策のために良かれと使用している石鹸や制汗剤が、皮膚にいる菌(微生物)の組成比を変えてしまい、それが不快な体臭の原因になっているといわれています。
AOバイオーム社は、「だったら不快な体臭の原因物質を分解する菌を抑えて、匂い対策に有効な菌を育てよう!」という発想で実際に商品を開発してしまったすごい会社です。
馬がゴロゴロしている姿への疑問がAOバイオーム社設立のきっかけ
AOバイオーム社の創始者、デイヴィッド・ホイットルック氏はもともと土壌微生物を研究していた科学エンジニア。環境にやさしいセメント製造法を発明した経験も持っていました。
ある日、馬小屋で土のサンプルを集めている時 「なぜ馬は体を土の上で転がすのが好きなんでしょう?」と尋ねられ、答えに詰まってしまったのだそうです。
その問いかけがずっと頭に引っかかり、何百もの科学論文を読みあさっていくうち、土壌や天然水に含まれるアンモニア酸化細菌(AOB)の役割に注視するようになっていったのが、AOバイオーム社のはじまりなんだとか。
アンモニア酸化細菌(AOB)のすごい影響力
アンモニア酸化細菌は、汗に含まれるアンモニアを亜硝酸塩と一酸化窒素に変換してくれます。
亜硝酸塩と一酸化窒素は、ヒト細胞の活動を調整してくれるのだとか。
例えば、亜硝酸塩には防腐作用があり、一酸化窒素は1992年にサイエンス誌の「今年の分子」に選ばれたり、1998年には酸化窒素に刺激を順次伝えるシグナル伝達作用があることを発見して3人のアメリカ人がノーベル医学生理学賞を受賞しりしています。このシグナルは、健康に関わるさまざまな機能にとって重要な働きをしているのだそうです。
さらに亜硝酸塩と一酸化窒素には皮膚にいる微生物を抑制してくれる働きもあるとのこと。
一酸化窒素がないと汗を餌にしているコリネバクテリウムとブドウ球菌が野放し状態になってしまうのだとか。それぞれ、小さな領域でひっそりと存在している分にはいいのですが、増えすぎると困る存在です。
特にコリネバクテリウムの増えすぎは不快な体臭の原因になりやすいといわれています。
熱烈なファンを獲得するAOバイオーム社の化粧品
アンモニア酸化細菌を皮膚に補充するには、馬のように泥の中を転げ回ったり、自然の中で暮らす民族のように汚れていない天然水に浸かったりすればいいわけですが、現代社会で暮らす私たちにはなかなか難しいことばかりです。
そこで、「AO+MIST」です。
この商品はAOバイオーム社の化粧品部門「mother dirt」が開発しており、この他にも、シャンプーやクレンザーなども販売されています。どれも、「AO+MIST」に入っている菌を殺さないデリケートなつくり。
mothe dirtには熱烈なファンがついており、今では海外への発送にも対応しているみたいです。
参照:「あなたの体は9割が細菌」アランナ・コリン(著)矢野真千子(訳)、coorrie japan「16年間シャワーを浴びてない男が開発! 清潔と美肌を保つ「細菌ミスト」」、AOバイオーム社ホームページ、mother dirtホームページ